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2025.2.19

【いばらき県央ふるさとワーホリ通信】山側エリアの就労体験記~「何もない」からこそ楽しいキャンプ場~

※本記事は、総務省が推進する「ふるさとワーキングホリデー」を活用し、いばらき県央地域での2週間の就労や生活体験をした参加者に執筆していただいたものです。

目次:
しもはじ埴輪キャンプ場について
緊張した1日目
予想以上に大変だった2日目、そして最終日へ

しもはじ埴輪キャンプ場について

その名の通り埴輪が出迎えてくれる
その名の通り埴輪が出迎えてくれる

私は今回3日間、茨城町にある里山をフィールドとした会員制のキャンプ場「しもはじ埴輪キャンプ場」で就労させていただきました。

「SHIMOHAJI」は、半世紀もの間手つかずの森と耕作放棄地の再生、古納屋のセルフリノベーションが開始されたことがそのはじまり。森に囲まれたオーガニックフィールドとして、常陸国(ひたちのくに)より受け継がれてきた里山の文化を、食と体験を通して伝えています。

また、キャンプ場だけでなく茨城の食材の豊かさを伝える納屋カフェの運営や、茨城生まれのこだわりの原料でつくる微生物いっぱいの発酵食品を発酵常陸というブランドで販売しています。

緊張した1日目

オリエンテーションの様子
オリエンテーションの様子

まず、1日目はオリエンテーションが行われ、「SHIMOHAJI」ではどんな取り組みをしているのか、どんな場所であるのかを学びました。

オリエンテーション後の散策では、しもはじ埴輪キャンプ場の説明を受けながら回り、「直火(じかび)」の体験をしました。私は直火を初めて知りました。

直火とは、地面で直に火を焚くことなのですが、ここではあえて芝生で行います。厳密には芝生を丸くくり抜くように穴を掘って、穴の中に薪を組んで焚き火をします。そして、焚き火をした後は炭や灰を取り除き、くり抜いた土と芝生を元に戻し、縁のところに芝生の種を撒(ま)きます。こうすることで芝生がきれいに再生されて、また直火ができる循環を整えます。ちなみに、取り除いた炭は敷地内の畑に使われます。しもはじ埴輪キャンプ場はこのような環境保全の考え方を伝えるために、あえて直火OKとしています。

昼食は自分たちでキャンプ飯に挑戦!ご飯を炊いたり、みそ汁を作ったりしてとても苦労しましたが、それ以上に自分たちで作るキャンプ場でのご飯はとても美味しかったです。

乗用の草刈機での草刈りに初挑戦!
乗用の草刈機での草刈りに初挑戦!

午後は栗拾いと草刈りを実施。草刈りでは、乗用の草刈機と刈払機、2種類の草刈機を使用しました。

私は乗用草刈機に初めて乗ったので操作が上手くいかず、最初は苦戦しましたが、スタッフの皆さんが丁寧に教えてくださり、草が綺麗に刈り取られていく姿を見て、とても達成感を感じたのを今でも忘れられません。

刈払機は、私の祖父が使っている姿をよく見ていたため、以前からずっと自分の手で操作してみたいと思っており、今回その願いが叶いました。実際に持ってみると予想以上に重く、操作するのが難しくとても苦戦しました。

1日目の最後は、拾った栗の選別を実施。栗の大きさや虫食いがないかなどの確認作業を行いました。

予想以上に大変だった2日目、そして最終日へ

チェンソーで木を切る様子
チェンソーで木を切る様子

「SHIMOHAJI」のスタッフさんから一番大変だと言われた就労2日目は、3日間の中の一大イベントである木の伐倒を実施しました。

皆で一斉に木を引っ張り地面に倒した後は、のこぎりやチェンソーで切っていきます。切ったものを機械でさらに細かくしたり、薪割りをしたりしていきました。

薪割りは斧ではなく機械で割るので、便利で楽なものだと思っていたのですが、実際に機械の操作をしてみると、想像していた形にはならず、とても難しかったというのが一番の感想。3日間の活動で最も体力を使ったと思います。

テント設営の様子
テント設営の様子

3日目は納屋カフェとキャンプ場でそれぞれ分かれて就労。私はキャンプ場担当となりました。キャンプ場では翌日の宿泊客を迎えるための準備を行いました。

準備内容は主にテントの設営とドラム缶風呂の清掃など。テントを建てることも生まれて初めてだったので、一つのテントの設営になんと2時間もかかってしまいました。テントの設営をなんとか終わらせた後は、ドラム缶の準備を行いました。お風呂の掃除をしながら、私も素直に「ドラム缶風呂に入ってみたい」と思いました。

就労の最後は、稲刈りを体験させていただきました。

「一束で一合ぐらいのお米にしかならないんです」と聞いたとき、毎日当たり前に食べているお米の貴重さを身に染みて感じました。それと同時にもっとお米を大切に食べようとも思いました。

普段なかなかできないことを経験させていただいた3日間。予想以上に大変な仕事ばかりでしたが、それを毎日当たり前のように行うスタッフの皆さんを尊敬しています。

また連日、35℃前後の酷暑でしたが、キャンプ場では熱中症対策としてドライアイス専用ポケットがついた、ドライアイスベストを用意してくださっていたので、乗り切ることができました。

3日間の就労の中で印象的だった言葉があります。それは「『SHIMOHAJI』は何もないけれど、それがいいところ」と皆さんがおっしゃっていたこと。

最初はそれがどういうことなのか理解できませんでしたが、3日間の就労を終えて、「何もないからこそ自然を楽しむことができる」という意味だったのではないかと思います。

最後に、将来「SHIMOHAJI」がどんな場所を目指しているのか教えてくださいました。

「キャンプ場やカフェという定義にとらわれず、色々な形でさまざまな立場にある方々にもっと来てもらえるような場所になれたら良いなと思っています」

キャンプが好きな人だけでなく、キャンプをしたことがない人にもぜひ足を運んでもらいたいと思いました。自然豊かで、ご飯も美味しい「SHIMOHAJI」。ここに一度でも来たら、まちがいなくこの場所の虜になると思います。

茨城町へお越しの際は、ぜひ訪問してみてください!

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