2025.2.19
【いばらき県央ふるさとワーホリ通信】海側エリアの就労体験記~自然体でいられる場づくりの尊さ~

※本記事は、総務省が推進する「ふるさとワーキングホリデー」を活用し、いばらき県央地域での2週間の就労や生活体験をした参加者に執筆していただいたものです。

目次:
イバフォルニア・ベースについて
コミュニティマネージャーとのワークを通して感じた、楽しい時間を共有することの素敵さ
「ベースで何する?」企画会議でアイデアを形に
イバフォルニア・ベースについて

いばらき県央地域の沿岸部に位置するひたちなか市。観光市場の「那珂湊おさかな市場」やネモフィラとロックフェスが有名な「国営ひたち海浜公園」などがある、魅力あふれる地域です。
私は、そんなひたちなか市の東部、阿字ヶ浦の海辺に佇む「イバフォルニア・ベース(以下、ベース)」で就労をさせていただきました。
ベースとは、Co-living & Guesthouseマンシュウヤの経営などを行う小池伸秋さん(愛称:ノブさん)が運営する地域の交流拠点です。
開放的な雰囲気は、まるで海の家のようですが、波音を聞きながらコワーキングスペースとして利用できるほか、レンタサイクルやSUP(サップ)、BBQ、グランピングが楽しめたり、コミュニティマネージャーの方とお話ができたりして、遊びや仕事に、さまざまな使い方ができる場所です。海を感じながら、充実した時間を過ごせると思います。

そんなベースの始まりは、2018年春に地元の有志によって立ち上がった「イバフォルニア・プロジェクト」にさかのぼります。個人的には落ち着いた印象を受けた阿字ヶ浦海岸ですが、1980年代にはひと夏で300万人もの人が訪れる日本一の海水浴場だったそうです。しかしその後、レジャーの多様化による海離れや港の開発に伴う砂浜の減少、東日本大震災などにより、海水浴客は2023年現在で9万人まで減少しました。
そんな中で生まれたのが、イバフォルニア・プロジェクトでした。ビジョンは「100年先も豊かに暮らせる海・街をつくる」。
アメリカ西海岸カリフォルニアのように、海と人とまちが融合しながら、独自の文化を築き、常に進化し続ける海岸を目指しています。
その活動拠点として、海の家をリノベーションしたのが、ベースなのだそうです。
コミュニティマネージャーとのワークを通して感じた、楽しい時間を共有することの素敵さ

3日間の就労では、「ベースから阿字ヶ浦を盛り上げる」という視点で、さまざまな経験をさせていただきました。
初日の午前中は、SNSで街の魅力を発信するため、ベースの周辺をノブさんに案内してもらいました。階段の上で海岸線を眺めたり、歴史ある神社やひたちなか海浜鉄道の終点・阿字ヶ浦駅へ行ったりして、狭い範囲に多くの見どころがあることに驚きました。
海辺のまち特有のゆったりと時間が流れる雰囲気に、とても癒される時間となりました。
午後からは、SNSの更新を実施。コミュニティマネージャーで、ベースの公式SNSの運用もされている戸板咲紀さんにアドバイスをいただきながら、更新内容を考えました。
私は、阿字ヶ浦の「パワースポット集」として、3つの神社を紹介しました。普段SNSをよく使うのですが、投稿側になるのは初めてで、どんな内容なら見たいと思ってもらえるか、利用者目線で考えるのはとても難しかったです。普段から素敵な投稿をされている戸板さんのすごさを実感しました。

2日目の午後からは、実際にベースのコミュニティマネージャーとして活動されている2名に来ていただき、ワークショップを行いました。
1人目はストレングスファインダーの資格を持つ内田武志さん。自分の強みを発見するための自己分析を行いました。2人目はクイズイベントを主催されている高星頌平さんに来ていただき、早押しクイズを行いました。お二人ともご自分の得意分野で生き生きと活躍されており、その姿がとても魅力的でした。また、自分の得意なことで周囲の人と楽しい時間を共有できるのは素敵なことだなと感じました。
「ベースで何する?」企画会議でアイデアを形に

2日目と最終日に実施したのは、「ベースで何する?」企画会議。1年を通してベースが地域の交流拠点としてこれからも発展し続けていくためには、どうすればよいか検討するものです。
「強み」「弱み」「機会」「脅威」の4項目に分け、ポストイットに自由にアイデアを書き出しました。そしてノブさんからのフィードバックのもと、ベースが今も抱えている「気軽に入ってもらえるためにはどうしたらいいのか」という課題と「秋冬何をする?」という2つの課題をテーマに具体的なアイデアを考えることになりました。
メンバーでアイデアを出し合い、「気軽に入ってもらえるためにはどうしたらいいのか」という課題に対し、コーヒーのテイクアウトができることを通行人の方にも周知することで意見が一致。
早速デザインアプリで張り紙を作成し、ベースの入口に張らせていただきました。メンバーのアイデアを一つに集積し、小さなことですが、行動に移せたことがとてもうれしかったです。
また、「秋冬何をする?」という課題に対しては、焼き芋イベントや星を見るイベントをしてはどうかという意見が出ました。今回、開催や運営などの直接的なお手伝いは叶いませんでしたが、メンバーで協力して考えたアイデアのどれかが、今後お役に立てればとてもうれしく思います。

最後にノブさんに、ベースでのやりがいを伺いました。
「ベースは人生の迷い人が来ることが多いです。そういう人がベースを通して人とつながり、自分のやりたいことを見つけて生き生きしていく姿を見ることがやりがいにつながります。積極的にまちに関わる人や場づくりをする人が増えていけば、よりよいまちができていくと思います。そうすると自分自身が楽しく過ごせます。その循環をベースから作っていくのがモチベーションですね」
ゆるく自然体な雰囲気を大切にされているノブさんですが、ベースに対する熱い思いを秘めているのだと分かり、地域を自分事として考える姿勢に、私自身感銘を受けました。
私も将来、仕事以外の分野で熱中できる場所を見つけていきたいです。